日本の民話には「だいだらぼっち」という巨人が登場するものが数多くあります。長野市大座法師池にまつわる「デーダラ法師」の民話もあります。

北信濃山ノ内町と中野市、木島平村にまたがる高社山にも同じようなお話しがあります。”だいだらぼっちではなく”大きな鬼”という設定になっています。

むかしむかし、この地方に大きな鬼がすんでいました。その鬼は歩くとき、山の頂上から頂上へと足をつき、山を渡り歩いていました。その頃、今の中野平と、木島平が平に続いていて、鬼が歩くたび足のつき場が少し遠くて不便に思っていました。ある時、この間にもう一つ山があったら、さぞ便利だろうと思い、山を一つ持ってくることを思いつきました。そしてある日、とうとう北アルプスから、余っている山をしょってきました。そして、ドッコイショ、と今の中野市と木島平村の間へ下ろしました。しょってきた縄を、ポンとなげたところ、その縄はするするとのびて、今の長丘丘陵になりました。しょうとき手がよごれたので、千曲川をまたいで手を洗いました。そのとき、片方の足をしょってきた高社山につき、もう片方の足を,豊田村の荒山へついたそうです。今も高社山西側の大石と、荒山にある大きな石に、そのときの鬼の足跡が、残っていると言われています。 

                  挿絵・文「やまのうちの民話」から
※しょってきた(背負ってきた)

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